原作 新美南吉『ごんぎつね』
ストップモーション・アニメーションで
新たな視点から描く『ごんぎつね』。
切なさが静かに胸を打つ。
News
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上映情報
関東
〈東京・渋谷〉アップリンク渋谷
2020年6月5日(金)〜7月9日(木)
東京都渋谷区宇田川町37−18 トツネビル 03-6825-5503
詳しくはこちら >〈東京・吉祥寺〉アップリンク吉祥寺
2020年6月5日(金)〜7月16日(木)
*以降、不定期上映東京都武蔵野市吉祥寺本町1丁目5−1パルコ地下2階
詳しくはこちら >
0422-66-5042〈東京・下北沢〉下北沢トリウッド
2020年10月31日(土)〜11月20日(金)
平日火曜定休*11月3日(火)は営業東京都世田谷区代沢5-32-5-2F
詳しくはこちら >
03-3414-0433〈神奈川・厚木〉
あつぎのえいがかんkiki2020年6月6日(土)〜6月19日(金)
神奈川県厚木市中町2-12-15 アミューあつぎ9F
詳しくはこちら >
046-240-0600〈神奈川・横浜〉横浜シネマリン
2020年7月18日(土)〜8月7日(金)
神奈川県横浜市中区長者町6-95 045-341-3180
詳しくはこちら >〈茨城〉あまや座
2020年6月6日(土)〜6月19日(金)
茨城県那珂市瓜連1243 029-212-7531
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北海道・東北
甲信越・北陸
中部
近畿
〈大阪〉シネ・ヌーヴォ
先行上映 2020年8月2日(日)※1日のみ上映
本上映 2020年8月29日(土)〜9月25(金)大阪府大阪市西区九条1丁目20−24 06-6582-1416
詳しくはこちら >〈京都〉アップリンク京都
2020年6月11日(木)〜 *現在、不定期上映中
京都府京都市中京区烏丸通姉小路下ル場之町586-2 新風館地下1階
詳しくはこちら >
075-600-7890〈兵庫・尼崎〉塚口サンサン劇場
2020年6/26(金)~7/2(木)
兵庫県尼崎市南塚口町2丁目1-1-103号 06-6429-3581
詳しくはこちら >〈兵庫・宝塚〉シネ・ピピア
2020年8月21日(金)〜9月3日(木)
兵庫県兵庫県宝塚市売布2-5-1 ピピアめふ5F 0797-87-3565
詳しくはこちら >〈兵庫・豊岡〉豊岡劇場
2020年8月14日(金)〜8月27日(木)
兵庫県豊岡市元町10-18 0796-34-6256
詳しくはこちら >
中国・四国
Introduction
児童文学の金字塔、
新美南吉の『ごんぎつね』に新たな解釈を加えた
ストップモーション・アニメーションによる
珠玉のショートフィルム。
小学校の教科書でおなじみの、新美南吉 作『ごんぎつね』。
美しく豊かな日本の自然や季節のめぐり、
そして動植物と人との関わりが描かれる物語。
本作ではストップモーションアニメ化するにあたり、
原作に新たな解釈を加え、ごんと兵十の関係を際立たせた。
また、2つの視点で描くごんにも注目。
小ぎつね・ごんから見た世界では人間と同じ
二足歩行のキャラクターになり、
人間から見た世界では四足歩行に。
視点を使い分け、動物と人間の垣根が引き起こす悲劇を、
普遍的な問題へと昇華させている。
それは現実の世界で起きている
「分断化」に通ずるテーマである。
28分の短編の中で生と死が描かれ、
優しさと哀しさが同居する儚いストーリー。
人形と美術制作に1年、撮影に10ヶ月を要した
八代監督
率いるチーム「TECARAT(テカラ)」渾身のクラフトだ。
いま観るべき珠玉のショートフィルムである。
Story
いたずら好きのごんと、心の優しい兵十。
ふたりをつなぐのは、真っ赤に咲いた彼岸花――。
いたずらばかりしている小ぎつねの、ごん。
ある日、兵十が川で獲ったウナギを、
ごんはいたずら心で逃がしてしまう。
それは病気の母に食べさせるための大事なウナギだった。
母が亡くなり落ち込む兵十をみて、
ごんは償いをするのだが……
Characters
ごん(田中誠人)
ひとりぼっちの小ぎつね。いたずらばかりして村人を困らせている。小さい頃、母ぎつねと生き別れになったごんは、兵十の気持ちが痛いほどわかって──。
ごんから見た世界では二足歩行のキャラクターとして、人間から見た世界では四足歩行の獣の姿で描かれている。
兵十(入野自由)
母とふたりで村に住んでいる青年。気弱で臆病な性格から猟が嫌い。亡き父親や加助から、常にその弱さを咎められてきた。自分でもどうにかしなければと思っている。
加助(國府田達也)
近所の村人。兵十の父親と親しかった。若くして亡くなった友人の子、兵十を我が子のように気にかけている。兵十の気弱さを心配し、意識して厳しく接している。
母(辻良江)
病気がなかなか治らず寝込んでいる。兵十が周囲から気弱と軽んじられるなか、彼女だけはそれを優しさと呼び、あるがままの兵十を認めてくれている。
Videos
Trailer
Making
Interview
Photos
Director
監督・脚本・アニメート:
八代健志東京藝術大学デザイン科卒業。太陽企画(株)にて、CMディレクターとして実写を中心に活動する傍ら、独自にストップモーション・アニメーションの研究・実験を重ね、様々な手法のアニメーションを扱ってきた。全ての作品において監督、脚本のみならず、美術・人形造形、アニメーションまでを行う。2013年にドーム映像初のコマ撮り作品『ノーマン・ザ・スノーマン~北の国のオーロラ~』を発表し、以降『眠れない夜の月』『ノーマン・ザ・スノーマン~流れ星のふる夜に~』において国内外で数多くの賞を受賞。最新作となる本作は[劇場版]として待望の劇場公開となる。
Comment
『現代日本を代表する人形アニメーションの傑作』
「ごん」の世界はいつか見た日本の情景。川のせせらぎ、風に揺れるススキ。実はその全てがストップモーション撮影のタブーとされた難しい素材だが、八代健志監督の美学はその壁を超えてみせた。この世界に息づく人やキツネやトンボの生命(ANIMA)は、まさにアニメーションの魔法だ。新美南吉原作の行間を丁寧に豊かに補完し、かつ独自の映像作品に仕上げた作家力と、根底にある人間力に支えられたこの短編はとても強く優しい。
伊藤有壱
(アニメーションディレクター)
ごんの、兵十の心が見えた。動かないはずの人形たちだからこそ、「心」そのものがそのまま届いて激しくゆさぶられた。なんで人形アニメーションをやっているのか。その答えがここにある。と思いました。嫉妬しています。
合田経郎
(こま撮りアニメーション監督
『どーもくん』『モリモリ島のモーグとペロル』)
木彫りの人形が、「物体」としてそこに存在する。その動きが、生命を荒々しく削り出す。人と動物…異種なるものの運命が交差する様子に、宇宙の因果・運行を感じ取ってしまいそうになる。
土居伸彰
(アニメーション研究・評論)
素晴らしい!涙が止まりません。なぜゴンと兵十は分かり合えなかったのか。今日の分断の世界まで考えが及びました。サイコーです。映画の中の曼珠沙華は現実の曼珠沙華と全く同じです。人形が生きて人間以上の感情が溢れています。
江上剛 (作家)
スチール写真で人形の造形とそこに落ちる光の輝きを見ただけで、ああ、これは良いアニメだと確信。見てみたら本当に良かった。スクリーンに映るすべてに丁寧に命が吹き込まれた充実の28分で、一挙手一投足が見逃せない。大人にも子どもにも見て欲しい。とりあえずゴンがかわいくてヤバいから!
深田晃司 (映画監督)
冒頭二発の銃声で示される「撃てない」息苦しさ。優しい母と世話役の加助から自立出来ない兵十の苦悩、母狐を罠で喪った小狐ごんの屈折と承認欲求。二人の生い立ちや心情は新美南吉の原作には詳述されていない。多くの追加シーンと手作りの立体造形の繊細な演技、低位置から接写された里山のリアリズムが古典に鮮烈な生命を宿す。すれ違う二つの思いに、情報化社会の発展に反して他者との意思疎通に一層苛まれる我々の日常が重なる。その交錯と三発目の銃声が観る者の胸を締め付ける。
叶 精二 (映像研究家)
スチール写真から感じた「素朴な人形を使ったストップモーション・アニメーション」という認識は物語の進行とともに消えていき、次第に日本の原風景の中に迷い込んだような気分になっていきます。浅い被写界深度の映像の奥から観客の眼の前にふわりと現れるごん。その毛並みにそっと触ると、生き物の温かさと心臓の鼓動を感じるんじゃないかという気がしてきます。映画的な空間と時間、そして頬の涙を拭い余韻に浸る28分。
上杉忠弘 (イラストレーター)
※敬称略・順不同